レディチ

大学生の女の子は非常に悩んでいるようだった。彼から結婚しよう的な話をされたらしい。彼女としても、彼のビジョンに共感し、応援していきたいという気持ちが強い。しかし、彼と同じ高校だった人たちは、彼はあまり評判のよい人ではなく、良くないエピソードばかりよく聞くし、正直好きではない、という話をするそう。それについて彼女は、そういう話があるのは、いろんな人から聞いてわかっているが、「自分としてはそういう話があるんだ。でも人は人だから、別に?(なんとも思っていない)」という感じなんだそう。親は、特に何も言わないが、あまり肯定的ではない。「彼も私も、学校があと三年あるから」そんな、大学生の女の子たち同士の会話を、聞くともなしに聞いていた。目を細めて、帰りのバスから外を眺める。過ぎた台風は、秋の予告をするかのように、夕涼みにはちょうどいい涼しさと、きれいな夕日を置いていった。風景が少し遠く感じる。ロードムービーのように、流れていった。少し遠く、過ぎ去っていった風景のように、それは少し身に覚えのある話。