地獄の転入生とでも言うべきか

ランボー [DVD]

ランボー [DVD]

 そういえば、僕はランボーを一度も見たことが無かった。近代映画の中で、基本として押さえておかなければならない映画だと、やいぼうが言うので、レンタルしてきた。僕のイメージでは、「怒りのアフガン」のようなアクションヒーロー映画で、とくに見る必要も感じなかったのだが…。
 「ランボー」は、ベトナム戦争の英雄で元グリーンベレーの兵士が、帰国後、冷遇され、不当な扱いを受け、擦り切れて傷ついた心を抱えていたところに、追い討ちをかけるように冷たくされたところで、怒りが大爆発。警官隊とドンパチ、州軍と戦争状態、一人ゲリラ戦を展開し、最後は町ひとつが壊滅状態になる、という映画である。そりゃあもうひどいことになるまで、散々暴れ倒しておいて、最後はそれかい!という驚愕のオチが待ち構えており、僕は涙しながらものけぞりかえった。
 涙した理由、それは僕が「転入生」で「いじめられっ子」だったからですよ。ランボーの気持ちは理解できる。直接的にいじめてきたやつもそうでもないやつも、空気すべてが憎たらしくなり、破壊して回りたい衝動は、僕にだってあったのですから。
 
 暗い過去ををうっかり思い出すような重たいテーマの映画だったけれど、80年代の映画は、今の映画と違って、愛があり、救いを用意してあるところがすばらしい。

 ランボー、確かに名作で、一度は見てみるべき一本でした。