愛、友情、銃弾、そしてゾンビ

プラネット・テラー」を見た。
ロバート・ロドリゲスグラインドハウスというB級映画をたくさん上映していた映画館のために意識的に作った、B級テイストあふれるゾンビ映画。したがって、内容は、グラインドハウスで頻繁に上映されていたようなありふれたゾンビ映画で、言えば、映画版「グルーヴ地獄V」(ピエール瀧が意識的にクソゲーとして作ったクソゲー)。

基本的にウーとかアーとかうめいて、のろのろ歩いているゾンビだけれど、捕食スピードはかなり速い。襲い掛かったと思ったら、一瞬でノウミソ食べちゃったり、足を持って行っちゃったり。車ではねられたら、水風船かよ!と思うくらい、大げさに汁が出る。そして、かなり怪力なのに、家に強引に入ったりはしない。

チョイ役でブルース・ウィルスが出ていた。仕事を選ばない人だ。
タランティーノも出演。いちばんいい演技していたと思う。

僕は「ほんとうにつまらない!」という意味でのB級映画を引き当ててしまう人間だけれど、ほんもののB級映画には詳しくは無い。でも、ゾンビ映画には、友情とか、愛とかを盛り込むのが定石なんだろうな、と思っているので、そういうシーンがあるたびにニヤニヤしてしまった。この映画は、地方映画館のドサまわりで起こりうる様々な現象(フィルムの一部が紛失、再生されすぎてノイズ入り、たまに焼ける。など)も再現していて、おもしろかった。

わざとらしく作った「ニセ予告編」がかなりおもしろそうな映画だった。もし、ほんとにつくったら、絶対に見たいと思う。