かっこいい高校生

JRの右隣の席で、学生服の男子二人が恋話に花を咲かせていた。

一人は語り、一人はそれを黙って聞いている風。たまにはうなずいてるだろうか。

彼の意中の女子は、中の上くらいかわいいらしい。恋する男子は、だいたい自分の意中の子の容姿の程度を聞かれると、こんな風に答える気がする。

彼は昔から自分からは言わない主義らしい。
てことは、相手に言わすタイプですか。かこいい。

どんなアレだよと思ったが。

聞いている限り、ただの仲の良い男女の友達のように思われるが、彼は、今日彼と意中の女子の間に起こったエピソードを詳細に語っている。

彼は、「自分からは言わない。相手に言わす」クールなタイプだが、そのわりに熱っぽく意中の女子について語っているという対比が、エモい。

「廊下ですれ違ったときに向こうは目を合わしてきたけど、俺はわざとよそを向いた」とか、「消しゴムを貸してたんだけど、返すときに後ろから肩を叩いてきたよ。でも、わざわざ俺にさわる必要なくない?」とか、「今日も購買部で買ったパンが同じだったよ。気が合うんだよ、きっと」とか、事細かに男子は語る。


電車は谷山に停まった。
熱い想いを語る男子が、すっと席から立って降りていった。僕の右側は、学生が一人だけになった。
友達同士だと思しき二人の間にバイバイとか、またねという言葉の交換がなかった。
違和感。

見ると、二人はシャツの形が違う。私立の中学生と、公立の高校生。

ツンデレで、そして電波な高校生は、別の車両に乗っていたらしい女子に声をかけられ、二人で改札を出ていった。





てかね、大学の学生ホールで、人がカップ麺食べているときに、近くのテーブルの女子二人が、生理の話で盛り上がってんだよ。

どうなんだ、これって。