イタリア展に行ってきた。

17日の話だけれど、地元のデパートで、「イタリア展」開催中につき、見に行ってきた。

ワイン、お菓子、焼き栗、チーズ、ハム、オリーブオイル、アクセサリetc、たくさん来ていた。

車で行ったので、ワインは飲めず、代わりにやいぼうが飲んだ。仕事上がりの一杯、さぞおいしかったろう。

「物産展は、合理的に、順番よく回るべし」というやいぼうの思想に6割従いつつ、見学。4割の部分は、物産展のみならず、興味と気持ちの向くままフラフラする自分の行動原理が障害になり、「どうして順序良く、合理的に、一緒に動けないの!」と怒られた模様。ひっひっひ。

ビンの中に宝石やハートのモチーフが入っているグラッパがあったが、あれはかわいくてよかった。

ワイン、お気に入りの作り手さんのやつが来ていたが、最近はほんとにワイン開けて飲む機会がないので買わなかった。残念だけど、長いこと寝かして飲むようなワインではないし、そんな高いワインも買えないしさ。早飲みワインはやはり、買って、ニ、三日のうちに飲むのがいいと思う。
クスマーノのネロ・ダヴォラが来ていた。干しぶどうの香り、お日様を凝縮して突っ込んだかのような、濃いぶどうの味。冷やして、バーベキューでスペアリブみたいな骨付きの肉々しい肉を、野菜とか食べずに肉だけ食べながら飲みたいと、猛烈に思った。アルカモも来ていた。これは白だけど、うまい。白だけど濃い。フランスの白ワインは、これを薄めたヤツじゃないのかってくらい。あわせるとしたら刺身と飲みたいかも。あ、でも刺身だったら思いっきり芋芋しい芋焼酎がいいや。

ところで、試飲させてくれるのは、ほぼスプマンテか、飲みやすい甘めの味のワインだった。白なら辛口だけどスッキリして後味が甘いやつ。相手が女性と見るや、必ず最初にスプマンテを出してくる。それか、白。それなのに、売るときは、あからさまに4,000円超のキャンティ・クラシコか、バローロからすすめる。味全然違うやん。そのラインなら、物産展では買わない。
「ワインといえばフランスじゃないですか。イタリアワインはこっちではめずらしいから、こういう機会にたくさん買ってくださる人とか多いんですよ〜」というマネキンさんのコメントが、なんというか、ワインといえば、いまだにオサレな飲み物とか思ってんのか、田舎者を手っ取り早く取り込んで、ちゃっちゃと高いの売ってしまおうみたいな、ヤマっ気を感じた。そういう部分が嫌で、僕ほど「ワインワイン」ではないやいぼうも、しっかりした人からいろはを聞いているもんだから苦笑いしちゃって、マネキンさんに「鼻で笑わない!」と言われた。いや、苦々しく笑いたくなるぜ。
数字取るのも大事だけれど、次につながるような売り方をするんだったら、あの場にあった1,500円〜2,000円クラスの赤を紹介すべきだと思う。そして、同じ価格帯の違うぶどうのワイン、同じ作り手の違うワインとか紹介したらおもしろい。ばらばらに手ごろなところを試飲させて「美味しいでしょう」は、何のプレゼンにもなってないでしょうに。スプマンテみたいな食前酒や、ジュースみたいな白ワインなんかで気を引こうとしてもだめ。本気でワイン売るなら、本気のワインを出さないと、食いつかないような気がする。だいたい、「飲みやすいでしょ〜」なんていうのは、客を馬鹿にしてるとしか思えないのだ。
やいぼう曰く、マネキンさんではなく、メーカーから来ている面白そうなソムリエの方に「なよっちいワインじゃなくて、ワイン」というと、いろんな赤いのがいろいろでてきてえらいことになったらしい。売る人次第だね。

アクセサリには興味を惹かれなかった。買えないものを見ない悪い癖。だから、食べ物ばっかり見ていた。いろいろ見て回ったけれど、買うものって最初っから決まってたような気もする。フォカッチャ、チーズ、生ハム、オリーブの漬物を買った。サンドイッチを食べるのだ。

チーズ屋のお兄さんは、チーズをどうやって食べたと、「食べたことのある話」と、「チーズの味の話」をしてくれた。パルマ産の特徴とか、牛と羊のチーズの味の違いとかを完結に楽しく、おいしそうに話す。でっかい塊を機械で削るのを見せていたらしいけど、僕らが行ったのが閉店前だったから、でっかい塊は冷蔵庫の中。でも、お兄さんはその塊だけ見せてくれた。
チーズ屋の兄さんは、チーズの話から、生ハム、オリーブの話へと派生して話していく。うまい展開。生ハムはパルマ産の生ハムを燻製したやつと、トスカーナ産の「食塩不使用(?)」の生ハム。パルマ産はお酒のおつまみにしたい味で、トスカーナ産は塩っけやうまみが強くてサンドイッチにしたい味。オリーブは、隣のブースのオリーブの漬物屋さんのやつのほうがおいしかった。

オリーブの漬物屋さんは、去年も物産展に来た人だった。穏やかな性格だけど、オリーブが好きでたまらない。たくさん食べて欲しいから、いっぱい詰めたり、何種類もセットにしてくれたりする。お店の人は口数が少ない穏やかな人だけど、オリーブの漬物はそのぶん、饒舌だと思う。何種類もあるし、いろんな味もある。味に説得力がある。おいしい。

時間がなくて行けなかったけれど、ラ・ベットラ・オチアイと、バール・デルソーレの模擬店も来ていた。別の日に食べに行ったやいぼう曰く、オチアイはうまかったらしい。デルソーレは、ちゃんとバリスタが来ていたけれど、エスプレッソマシーンは、カフェポッド式。んー、ゴミが散れなくていいけれど、それはプロがやらなくても別に味一緒でないかな。僕が欲しいと思っているエスプレッソマシーンだった。プロでも安心して使うってことだな。

「イタリア式バールの使い方」という講演が翌日にあったようだけれど、バールって、工具のほう?って思ってしまった。

僕の物産展の一家言。
商品を大好きな売り手から買うに限る。