サービスとは

 「相手が何を欲しているかを汲み取って、それに答えていくのがこれから伸びるサービス業」と、先日、大田弘子先生の公演を聞いたときに、先生はそのようにおっしゃっていた。それを聞いてから、職業事務員としてどういう職業事務員になるべきか、数年後、資格を取得したときはどのようなサービスが提供できるかと考えるようになった。
 自分が出来ることは、多分人のために役立つ。
 相手が俺に何をして欲しいか、どういうサービスを提供して欲しいかを汲み取って、それをやろうとしたとき、例えば、「20kg痩せないといけません」というようなことを言わないといけなかったとき、俺はどうすれば良いだろうか。
 今のところは、気にはなるけど、俺が見なかったことにしておけばいいだろう、というスタンスを取っている。本人が気にしてないなら、それでいいんじゃないかと。
 将来における暫定正解は、例えば、20kg痩せなくてもいい状況を作ることになるだろう。
 でも、それでいいんだろうか。
 例えば、痩せるように努力させるとか、太りにくい体質にするとか、本人さんはきついかもしれないけれど、そうさせたほうが良いんじゃないのか?
 前出の講演では、これはIT導入と合理化の例だったけど、「ITを導入するとき、アメリカはITが最もコストパフォーマンスを発揮できるように、組織をカスタマイズした。日本は、ITを組織に組み込みやすくするために、ITをカスタマイズした。結果、アメリカは合理化に成功した。リーマンショックで衰えたけれど、アメリカは強い。これからまた盛り返していくだろうし、その気配は既にある。しかし、日本は合理化に成功したとはいえない。慢性的に経済は弱体化の一途をたどっている。」という話があった。これをうまく例えて、「アメリカは服に合わせて体を絞った。日本は体に合わせて服を作り直した。どっちがスリムになったかは一目瞭然です。」と言っていた。
 俺は今日、例えば、「やせて見えるように黒い服をなるべく着ていますから、痩せていると思いますが?」いうようなことを言われた。本人がそれでいいっていうならいいんだけど、とこれまでは思っていたが、問題の解決に自分なりに工夫をしているということがそのときわかった。
 黒い服を着ると痩せて見えるかもしれないが、痩せたとは言わないし。
 直言を避けて避けまくって、避け損ねて、口ごもった。