漢の仕事

我が家には、ポチというやつがいる。



今日はポチを連れてというか、



しゃきっと進んでくれないポチをなかば押しやるように、




目的地までの道を歩き、




目的地につくと、ポチは必死に土をほじくり返し始めた。




ポチは体重が重いけれど、よく見ると、デザインがかっこいいやつだ。












これが、うちのポチ。管理機というジャンルの農耕機械。


今日は天気もうっすら曇り、風も弱く、畑仕事するにはベストコンディションだったので、第二はせがわ農園の作業をすることになった。

第二はせがわ農園には、土地の造成で余った土を放り込んであったらしく、ちょい前にトラクターで耕してもらったというのに、時間がちょいたっただけでセメントのようにカチンカチンになってしまって、今日はポチでがりがり耕しながら、足りない土中菌をEMぼかしで補い、堆肥と石灰をばら撒いてしきこまなければならなかった。

しかし、あまりに土が固いので、押さえていても、ポチが走る。
見かねた近所の農機具屋さんが、トラクターでバリバリと耕してくれたのだが、トラクターだとあっという間に土がほこほこになる。

第二はせがわ農場は、ズッキーニが四畝、あとはかぼちゃと土質改良用のとうもろこし?すすき?の仲間の切花用のやつが植えられることになった。一年くらいかけて土質改善しないと、こりゃあ何植えてもきついっすわ。

畝をポチで起こして、ビニールシートをかぶせて。

午前中3時間、午後3時間。土を掘ってかき混ぜたりするだけに費やした時間。
その間に考えていたのは、おいしいズッキーニで何を作るかと、積もりに積もっている恨みやねたみのリプレイと増幅、悲話になってるけど、ブレット・ハートのがエゴイストじゃねえかよ、ということとか。

そう、ブレット・ハートは契約金が良かったんでWCWに移籍することが決まっていた。WWF王者だったのに、試合後のパフォーマンスで「WCW」と空中に文字を描いていた。そのくせ、退団前の地元カルガリーでの特番まで王座を保持させてほしいとビンス・マクマホンに言った。これまでの貢献度を考えれば、そうしても良かったかもしれない。でもさー、なんか虫が良すぎやしないか?地元だし自分をきれいに見せたい、なんかものすごいエゴを感じるんだけど。と畑を耕しながら考えていた。

不思議と、畑仕事をしてると、心の毒がぶわっと浮かんできて、それを畑はうんうんと聞いて、受け止めてくれているような気がする。畑仕事が終わると、気持ちがスーッとして落ち着くのだ。
疲れるけど。
畑は俺の心の毒で汚染されてないだろうか。そこから育つ作物に俺の心の毒が混じってないだろうか、少し心配だけど。

帰り道。
それまで散々心の毒と向かい合って、自分をののしり、世界をのろい、人をねたみして畑仕事をしていたのが、どうもなくなり、一仕事、いい仕事をしたような充実した気分ですっきり、道を歩いた。
ポチを押っさって帰っていたのだが、なんだかどんな車より、オラのポチ公のがかっこよく見え、それを押っさる自分は、多分、かっちょいいんじゃなかろうかと思ったんだった。