ドキュメンタリー(2)

これは、一人の男の過ちからはじまる悲しみのドキュメンタリーである。

■2007年2月1日9時50分

 男はいつも悪いことが起こるたびに「黒の次は白しかこない!」と言う。自らが招いた「人災」だったとしても、一度くじけたり落ち込むと、そのことをいつまでもぐじぐじと思い出してはへこみ続ける。男は、いつもそうなってしまうのが嫌いだった。だから、悪いことが会ったら、次はいいことがあるんだと言い聞かせてみるのだ。

 自分自身がいちばんそんなことを信じていないにもかかわらず、だ。

 2/1の10時。男の本命、お面のバンドのチケット販売開始の時間まであと10分。PCを立ち上げ、ブックマークしておいたチケットぴあのページを開き、59分からリロードをし続ける、それが彼の最初の作戦だった。

 時間に狂いのないよう、電波時計を傍らに用意し、10分前にブラウザを立ち上げた。

 男のホームページはexciteに設定されている。しかし、いつまでたっても表示されない。モデムとルーターのランプを確認すると、ルーターのLEDが全灯、明らかに起動エラーである。急いで、ルーターの電源を落として、再起動をするが、症状は変わらない。

 このルーターは、住居のほうにあるが、事務所のほうにもラインが伸びており、ルーターが動かないと、職場のLANにも影響がでるようになっている。事務所のほうも、ネットワークに接続できない状態になっていた。

 気が焦る。男は何度も電源を入れたり消したり、接続ウィザードを起動させたりした。

 なんとなくルーターを横にしてみたところ、LEDの点灯が正常なものになった。そのとき、9時58分。

 間に合った。心臓がドクドクと音を立て始め、男は緊張の面持ちで10時を待った。最悪のケースは、10時にリロードして、その瞬間、売り切れている場合だ。

 9時59分59秒。男はブラウザのリロードボタンを押した…。

 「販売受付」のボタンはあった。男はギリジンの歌を歌った。

 彼は、歌の通り、何でもギリギリなのである。あと少し遅かったら、そんなことならいくらでもある。よく人に「早く言ってよねー」と言われる。男はリアル・ギリジンだった。

 男は、それまでのことすべてを反省しながらチケットの購入手続きをした。

 チケットは予想以上にすんなり確保できた。20分して、電話申し込みでつながらず困っていたライブ友達と、その友達の分まで確保できた。

 しかし、男はまだ油断してはいなかった。急いでファミリーマートへ走った。チケットに印字されているバンド名を確認するまでは安心できなかった。

 チケットにはお面ほかのバンド名が記載してあった。

 男はライブ友達のために任務を果たせたこととお面のライブが見れることになったことには安堵したが、油断はしていない。

 Panic buyしてしまったチケットをどうするか。

 男はタイミングを見ることにした。

 つづく。

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・今朝、ルーターもおかしかったんですが、事務所の冷蔵庫もおかしくなってて、冷凍庫だけ、壊れてしまいました。冷凍庫に備蓄しておいた数々の超絶ストックがどんどん解凍されていきます。仕方がないので、うちの母親は、それらを使って煮物を作ってました。むき栗、どんこ、豚ロースとバラのブロック、チリビーンズをごった煮。味見してみたら、豚とどんこの出汁がおいしい、と思ったら、どっかにチリビーンズの味がする。かなりおいしいんだけど、どっか不思議な味が。

・タバコをかえてみた。しばらく固定。ミーハーな理由。ポリシッ○スのベースのフミさんがマルボロ金を吸ってるようなので、俺もそれに。トゥイッス!

・「女性は子供を生む機械」発言は、どこのクラウザーさまが言ったことかと一瞬思いました。
てか、普通に人なら、思ってたとしても、言わないことだし、てめー、自分のかあちゃんに土下座して謝れバカタレが!と思いましたが。
ジャーマンダサメタルがお好きな方は、是非「デトロイト・メタル・シティ」、おすすめであります。